学習の生物学的アプローチ

1. 感情
側坐核は、快感を作り出しやる気をおこさせる中枢である。
前頭前野とともに深い達成感をわき起こす場であり、報酬系を形
づくる。中脳からドーパミン作動性入力がある。麻薬、大麻、覚
醒剤などの習慣性のある薬物は、このドーパミン放出を増加させ
ることで嗜癖(しへき)作用を示すらしい。

2.知性と行動
大脳新皮質は、学習・意思・感情など高等な精神作用を発現
する灰白質である。
深い溝で仕切られた表層の前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉の4
領域からなる。
感覚野:特定の感情を受け取る。
運動野:運動の指令を出す。
連合野:脳の各領域と連携してより高次な機能を果たす。
視覚野:後頭葉にある。聴覚野:側頭葉にある。
体性感覚野:体表の感覚や手足の位置など。

機能の局在
20世紀の中頃、カナダの脳外科医ペンフィールドはてんかん治療のために患者の脳を開頭手術で露出した。その表面を電極で刺激すると、その患者は末梢に感覚を生じたり筋肉が動いたりした。この発見をもとに、一次性感覚野と運動野の詳細な地図を作成した。

大脳新皮質の局在性 前頭連合野:思考などの高次の認知機能
運動連合野:運動の情報処理一般 頭頂連合野:空間認識
後頭連合野:視覚情報処理
側頭連合野:聴覚情報と色・形態の認識処理

(引用文献:理工系のための生物学 常華房)